ソフトウェアの品質管理 専門家が教えない大切なこと

表紙(単行本)
表紙(電子書籍)

はじめに
『専門家が教えないこと』とは、“専門書やセミナーなどであまり語られていないこと”という意味であり、“まったく教えていないこと”という意味ではない。当たり前過ぎて「今さら言うまでもないこと」や、「一般的に語ることが出来るほど確立された理論ではないこと」も含まれる。本書は、筆者がIT業界で過ごした期間、とりわけソフトウェアの品質管理に携わった約20年間に学び経験した中で、難解だと感じながらも自分なりに解釈・理解したことをまとめたものである。
 思えばこの間、数多くの専門書を読み、セミナーや研修で学び、勉強会や研究会などで同業他社の方々とも議論を交わしながら、日々研鑽を重ねてきた。しかし、そこで学んだことをいざ実践してみると、理論と現実とのギャップや、現場との確執に苦しむことが多かった。そんな中でも、経験から気付いたことや、自分なりに租借し理解したこと、発見したことが多くあった。そのような、経験から得られた知識や考え方を本書に記した。専門書やセミナーであまり語られてこなかったことや、理解するのが難しいことについて、「こう考えれば理解出来る」「ここに注意しなければならない」ということを多く盛り込んだつもりである。
 本書は、いわゆる“How to本”ではない。ソフトウェアの品質管理を行う上で難しいことや、難しくしている要因についての筆者の考察を列挙したものである。問題を示しているだけで、明確な解決方法は述べていない。したがって、問題に対する即効性のある解決策を期待している方や、より専門的な知識を得たいと考えている方には、他の専門書やセミナーの利用をお勧めする。とは言え、経験から会得した考え方やノウハウは、少なからず問題解決のヒントや手助けになると考えている。専門書やセミナーが難解だと感じている方、あるいは腑に落ちないと感じている方に、是非本書を読んでいただきたい。また、ソフトウェアの品質管理やIT業について知りたい方や、興味を持たれている方にも読んでいただきたい。
 筆者が抱えていた悩みと同じ悩みを抱えている方々の、助けになることを願う。

【目次】
◆ 第1章 “IT”の正体
  ソフトウェアの特性 / プログラムの特性 / IT業の特性
◆ 第2章 ソフトウェア開発、基本の基本
  品質 / プロセス / 工程
◆ 第3章 ソフト品質管理、ここが難しい
  工程名称 / 品質指標 / 原因分析 / 標準化 / 部品化 / データ数と鮮度 / 目標管理 /
  価値(価格と生産性) / アジャイル / バグ収束度 / アラーム(警告) / リスク /
  オブジェクト指向 ※電子書籍のみ / プロジェクトの成功

◆ 第4章 ソフト品質管理のヒント
  品質分析 / 障害対応 / ルール遵守 / 進捗管理 / PDCAサイクル / 文書と記録 /
  プロジェクト計画書 / 内部監査と是正処置 / 小集団活動 / 事例共有 / 作業分担 /
  報・連・相 / ISO9001

◆ 第5章 故事・名言

サンプル(1.3 IT業の特性 … 抜粋)
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