今回は、解決しなければならない “問題” と “課題” についてお話します。
拙著『エンジニアを目指す人のための品質コラム』を既に読まれた方は重複する内容となりますが、他の多くの品質分野にも関わっていますので、それらの関係を改めて確認してください。
「問題」や「課題」という言葉の定義ではありません。『解決しなければならないこと』には2種類あり、それを解決するアプローチは微妙に違うということをお話したいのです。その2種類の『解決しなければならないこと』を、ここでは「問題」および「課題」と呼んでいます。
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問題と課題は、どちらも《目指すレベルと現状との差(ギャップ)》です。目指していることが実現できない..。だから、悩み・苦しみ・「何とかしたい」と思っているのです。
この「何とかしたいこと」には次の2つがあります。
◆ あるべき姿と現状とのギャップ(出来ていたことが出来なくなった)… これが【問題】
◆ ありたい姿と現状とのギャップ(さらに良くして高みを目指したい)… これが【課題】

こう考えると、これらを解決するためのアプローチの仕方が少し違うことに気がつくと思います。問題解決と課題解決とでは、その取り組み方が違うのです。
問題解決
問題とは “それまで出来ていたことが出来なくなったこと” なので、その解決とは《出来ていた状態(過去の状態)に戻すこと》です。そのために、出来なくなった原因を探り、それを取り除くというアプローチを取ります。
課題解決
課題とは、”今よりももっと良くして高みを目指すこと” なので、その解決策は《未知の領域(未経験の行動)に踏み出すこと》です。そのために、良さそうな施策を幾つか検討して最適な策を取り入れるというアプローチを取ります。
この2つのアプローチのことを、それぞれ「問題解決型QCストーリー」「課題解決型QCストーリー」と言います。その関係を示した図が次です。QCストーリーについての解説は人やサイトによって微妙に異なると思いますが、基本的には次の通りです。

上記の図の中には、これまでアップした記事に関係する言葉が幾つかありますね。それらの記事も合わせて確認してください。
・Target, Plan, Do, Check, Act … 記事『PDCAの誤解1(もう古い?)』参照
・達成目標、行動目標 … 記事『方針と計画と目標の関係、2つの「目標」』参照
・効果の確認 … 記事『是正処置(効果の確認)』参照
・SDCA … 記事『PDCAとSDCA … 2つのサイクルを共に回す』参照
そして、この図にある「明確化、設定、特定、決定、選択」などを行う際に、収集した数値データや言語データを分析する手法が『QC7つ道具』および『新QC7つ道具』です。新旧QC7つ道具を解説する書籍やサイトはたくさんあります。興味のある方は勉強してみてください。ただし、用語や文言など “形” から入ってうわべだけを理解することは危険です。これらは《問題や課題を解決するアプローチの手段》であることを認識して、何のために用いるのかを考えながら勉強してください。
ちなみに、拙著『エンジニアを目指す人のための品質コラム』に、新旧QC7つ道具の超簡単な解説を載せています。

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