今回は品質ではなく雑談です。しかし、”恋の定義” をテーマにした映画の話なので、記事『定義中毒に気をつけよう!』に関連する話題です。
私は Amazon Prime会員で、ときどき自宅のパソコンで映画を見ます。私は昔から、見たくないシーンでも逃げられないので映画館が苦手でしたが、テレビで映画を見るのは好きでした。ビデオ録画やDVDが普及した時には「何て便利なんだ」と思いましたが、今では自室のパソコンで手軽に見ることができます。本当に便利な世の中になりました。
最近、面白い映画を見たので紹介します。『恋は光』という映画です。原作はマンガのようですが読んでいません。
恋する女性が光って視える特異な体質を持った男子大学生が、「恋とは何か」という疑問を抱えながら、同じ大学に通う3人の女性と繰り広げる不思議な四角関係を描いた作品です。映画を見る前は「女性が光るって、どういうこと?」と疑心暗鬼でしたが、見てみるととても面白くてハマってしまいました。好きなシーンを何度も繰り返し見ています。
女性が光るというのは電球のように女性自身が光るのではありません。恋する女性の周りをキラキラと光の粒が舞うようなイメージです。なぜ光が見えるのかは分かりませんが、途中で出てくる「うれしくて楽しいから恋する乙女はキラキラ光るんです」というセリフがピッタリで納得してしまいました。
私がこの映画を気に入った最大の理由は、見たくないシーンが全くないからです。見たくないシーンとは、残酷、裏切られる、騙される、罵られる、可哀そう.. などです。私はそういうシーンでは目を背けたり飛ばしたりしてしまいますが、この映画にはそういうシーンがありません。三角関係にありがちな、嫉妬や奪い合いや駆け引きといったドロドロとしたものが一切ありません。3人の女性たちは、主人公の男性に対して各自なりの恋心を抱いており、お互いにそれを認め合っています。映画の終盤では一緒にパジャマパーティーもします。
一般的に映画やドラマやマンガや小説などは、「幸せ→不幸→幸せ」という波があって面白いと感じる(感じさせる)のだと思うのですが、そういうものが無くても楽しめるのは4人の立ち振る舞いやコミカルなセリフ回しの妙でしょう。
そして、なんといっても面白いのは4人が繰り広げる「恋の定義」です。主なものを挙げると、
・抽象的で、とらえどころがなくて、しかし多くの人が体感している美しい感情
・ただ会いたい、ただ触れてみたい
・近くて遠いもの、私の場合..
・あぁ私この人好きだ~と思ったらそれが恋。私が恋だと思えばそれが恋
・恋とは、誰しもが語れるが、誰しもが正しく語れないものである
・恋は幸福だけど苦しい。だけどあきらめるのはもっと苦しい
・奪ってこそ恋、略奪こそ純愛、恋は戦い
ちなみに、私が何度も繰り返し見ているシーンは、次の3つです。
①”光る謎”のカギを握る女子高生の衝撃発言に二人がしばらく固まるシーン。一瞬、時が止まったかのように周りの音が聞こえなくなる。
②「恋とは何だとか定義とかの前に心が感じているというか.. 目を閉じて瞼に浮かぶのはお前なのだ」という告白シーンと、それに続く「それはちょっと..」(笑える)。
③ラスト(エンドロール中)の「あぁ、ちゃんと恋しよ」とつぶやくシーン。オープニングの衝撃的なシーンと韻を踏んでいて面白い。
気になる方は是非見てみてください。
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“恋の定義” と言えば、もう一つ面白い映画があります。『舟を編む』という映画です。NHKでドラマ化もされました。原作は同名のベストセラー小説です(私は読んでいません)。辞書作りに奮闘する人たちを描いた作品で、どうやって辞書が作られるのか興味津々で見ていました。
映画版とドラマ版では時系列が少しずれており、主人公が違います。映画の中盤でチームに加わった若手女子社員がドラマ版の主人公です。映画版で主人公(辞書作りチームのリーダー)が恋を実らせた後の様子がドラマ版で描かれており、幸せそうな夫婦の姿に心が温まりました。映画版とドラマ版では雰囲気がかなり違いますが、どちらもとても面白いです。
辞書作りの話なので、いろいろな言葉の語釈(定義のようなもの)が出てきます。特に “恋” の語釈が面白いので紹介します。
映画「舟を編む」
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こい【恋】
ある人を好きになってしまい、
寝ても覚めてもその人が頭から離れず、
他のことが手につかなくなり、
身悶えしたくなるような心の状態。
成就すれば、天にものぼる気持ちになる。
………………
ドラマ「舟を編む ~私、辞書をつくります~」
………………
こい【恋】
人を好きになって、会いたい、いつまでもそばにいたいと思う、満たされない気持ち
………………
ちなみに、ドラマ版は全10話(1話45分)で、2025年6月17日から地上波で放送されるようです。
興味がある方は是非ご覧ください。
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恋の定義ではありませんが、恋に関する興味深いセリフが出てくる映画をもうひとつ紹介します。
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』という映画です。
その中で、主人公の女性がこんなことを言います。好きな人が自分から遠いところに行ってしまったと思った時に、彼との楽しかった日々を思い出しながらつぶやくセリフです。
「別れる男に、花の名前を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。川端康成はそう言ったそうだ。私は一生・・・を見るたびに、こんな気持ちになるのだろうか」
川端康成などの文学に近寄りがたい人でも、映画なら簡単にその感覚に触れることができるのではないでしょうか。
とても切ないシーンですが、この後ハッピーエンドになるのでご安心ください。
この映画もお勧めです。
コメント
いつも勉強させてもらってます。
TQMについてわっくんさんなりの解釈で教えて欲しいです。
いつもご覧いただきありがとうございます。また、コメントありがとうございます。
TQM(総合的品質マネジメント)についての個人的な考えを書きます。一般的な捉え方とは異なると思いますのでご注意ください。
私はTQMとQMを区別していません。私の中ではQMしか存在しません。同様にTQCとQCも区別していません。
多くの解説サイトでは、QM/QCを製造・サービスの品質管理、TQM/TQCを組織全体の品質管理だと説明していますが、私はそれにはとても違和感を感じています。理由は、”組織全体の管理” とは経営品質のことだと思うからです。そして経営品質にも、QM(事が円滑に運ぶように統括すること)とQC(基準から外れないように制御すること)があります。ですので、TQM/TQCを “組織全体の品質管理” のことと思えないのです。
そもそも、一般的にはQMとQCの区別がちゃんとできていないことが多いようです。また、総合的(Total)とマネジメント(Management)を同じような意味だと捉えて、TQxとQMの説明が同じような内容になっているサイトが多いです。
“総合的”は、「マネジメント軸で総合的」なのか「プロダクト軸で総合的」なのかなど、人それぞれ捉え方が違います。ですので、このブログの中では「TQM」や「TQC」は使っていません。本ブログでよく使っている言葉でTQMに近いものを挙げるとすれば、『QMS(品質マネジメントシステム)』が近いと思います。「システム」は “総合的” に機能するものなので。また、QMSは経営に直接影響するので経営品質にも関係します。本ブログ内の「QMS」の多くは「TQM」と読み替えてもよいと思います。
ありがとうございます、勉強になりました。また経営品質に関する記事もあれば読んでみたいと思いました。