やる気にさせる方法

 今回は、「人をやる気にさせる方法」と「自分をやる気にさせる方法」について考えてみます。これらは、やれば必ずやる気になるというものではありません。あくまでもヒントとして参考にしてください。
やる気の源泉
人を動かす名言
集団を動かす方法
自分自身をやる気にさせる方法

やる気の源泉

 人間はどんなときにやる気になるでしょうか? 成績が上がりそう、儲かりそう、ほめられそう、出世しそう などなど、人それぞれにいろいろなことがあるでしょう。しかし、これらはすべて次の2つに集約することが出来ます。
メリットがありそう … 金銭的なものだけではありません。心の満足もメリットの一部です。
頑張れば実現できそう … メリットがあっても、実現できそうもないことは頑張れません。
「頑張ればいいこと(メリット)がありそう」と感じたとき、人は頑張れるのです。

「いいこと(メリット)」とは、欲しいモノやコトを手に入れられる(つまり、欲を満たす)ことです。欲には様々なものがありますが、その人が重要視する “欲” によって「やる気を起こす要因」が変わってきます。欲の種類とやる気をくすぐる施策を「マズローの欲求5段階説」で考えてみましょう。

 例えば、「やりがいのある仕事をしたい」とか「ほめられたい」と思っている人にとっては、ボーナスはあまりモチベーションにならないでしょう。逆に、金銭にこだわる人は、表彰されても賞状だけではうれしくありません。人を動かすには、その人が何を重視しているのかを把握することが必要です。
 逆に「やる気がおきない」とぼやいている人は、今自分が何を欲しているかを考えてみましょう。そして、どうすればそれを手に入れられるかを考えましょう。もしかすると、上司に相談すれば解決することかも知れません。会社と折り合いがつかなければ転職するのも一つの手段です。また、会社や周囲に頼らずに自分で何とか出来ることもあります。

人を動かす名言

 旧日本海軍元帥 山本五十六の名言に、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉があります。人を動かす極意とされていますが、実はこの言葉は立場によってとらえ方が違います。若手とベテランでは、それぞれの言葉が示す《人の動かし方》が違うのです。それを表したのが下の表です。

 例えば、上司が自ら何でも率先してやってしまっては若手が出る幕がなくなります。また、ベテランに事細かに説明すればバカにされたと思うかも知れません。やる気を起こさせる相手がどういう立場にあるかによって使い分けることが必要です。

 ちなみに、山本五十六のこの言葉には続きがあります。全文は以下の通りです。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 いずれも、現代社会においても当てはまる言葉ですね。

集団を動かす方法

1.集団として何かをやろうとしたとき、なかなか全員の賛同を得られないことがあります。そういう場合は、自分以外に賛同者を2人作りましょう(頑張って説得しましょう)。集団において1人や2人の意見は相手にされないことが多いですが、3人になると無視できなくなります。

2.複数の人間で作業する時、多くの場合は協力して事にあたることが大切ですが、場合によっては各人の競争を煽る(横並びで生産性や品質を明示する)ことが効果的なことがあります。比較されて他者よりも劣っていると思われたくないので頑張ることがあるのです。

自分自身をやる気にさせる方法

 自分自身を動かす(やる気にさせる)ためには、強い動機と習慣づけが必要です。私の経験から、そのヒントを3つ挙げます。

1.自分の葬式を想像する
 想像してみてください。あなたは今、霊となって自分の葬式を見ています。やがて自分の遺影に向かって弔辞やお別れの言葉が読み上げられます。その時あなたは、何と言って欲しいですか? 「いい人だった」「優しかった」「仕事の出来る人だった」「家族を大切にした」.. そう言われたいと思いませんか? そう思うなら、そうなれるように頑張れるはずです。

2.「やりたくない悩み」を「やれない悩み」に変える
 悩みには、「やりたくないことをやらなければならない悩み」と「やりたいことが出来ない悩み」があります。例えば、「ゲームばかりしてないで少しは勉強しなさい!」と言われた時、「勉強したくないのに勉強しなければならない」という悩みと、「ゲームをしていたいのにゲームが出来ない」という2つの悩みが生じます。この時、「勉強したくない」と考えるのではなく「ゲームが出来ない」の方を強く意識するのです。
「~をしたくない」と考えてばかりいると、やがてサボることを考えます。つまりマイナスの思考です。「~が出来ない」という悩みは、やがて「いつかやってやる」という夢や決意に変わり、それに向かって工夫が生まれます。先の勉強とゲームの例で言えば、ゲームをやっていても文句を言われないように勉強方法を工夫して成績を上げることです。

3.どちらを選ぶか悩んだ時は、変化する方(今と違う方)を選ぶ
 どちらかを選ばなければならない悩みも多くあります。「やりたい事のうちのどちらか」「やりたくない事のうちのどちらか」「やるか/やらないか」「やめるか/続けるか」などなど。そんな時は、今の状態から変化する方を選ぶことをお勧めします。
「自分自身をやる気にさせたい」ということは、「今のままではダメ。もっと良くしたい」ということですね。そのためには、今の状態から何かを変えなければなりません。同じことをやっていては何も変わらないのです。積極的に変化を受け入れるなら、どちらにするか悩んだ時に今とは違う方(変化する)方を選ぶことを心掛けましょう。変化を求めることの習慣につながるからです。

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