「仕事において、ほうれんそう(報・連・相)はとても重要」と言われています。社会人の多くは、上司からよく聞かされているのではないでしょうか? しかし、重要である理由や、報/連/相の違いをあまり深く考えずに、単純に「口で言うかメールすればいい」という程度に考えている人が多いのではないかと思います。中には、ビジネスマネーの一つだと思っている人もいるのではないでしょうか。
今回は、このような認識を改めてもらうために「報・連・相」について深堀りしたいと思います。
「報・連・相」について解説する書籍やサイトはとても多くあるので詳しく知りたい方はそれらを参考にするとよいでしょう。ただし、それぞれの書籍やサイトによって重視していることが微妙に異なるので、一つの情報源の内容を鵜呑みにせず、複数を見比べたり、自分でよく考えてみてください。ここでは、私が考える『他の人に何かを伝える際に重要なこと』をお伝えします。
「ほうれんそう(報・連・相)」とは、文字通り『報告』『連絡』『相談』のこと、つまり『他の人へ何かを伝えること』です。
特に仕事において部下から上司へ伝える “ほうれんそう” が重要で、上司から「ほうれんそうをしっかりやれ」と耳にタコができるほど言われている人もいると思います。ですが私は、『人に何かを伝えること』は仕事の基本であり、下から上へ上げる場合だけでなくすべての階層において重要なことだと思っています。
情報を適切に伝えると、例えば次のようなメリットがあります。
・物事を正確に理解して共有することができる。それにより、ミスやトラブルが減る
・良い信頼関係が生まれる。それにより、協力関係ができ、生産性や品質が高まる
逆にそれを怠ると、メリットの裏返しの状況に陥ります。
それでは、なぜ『報告』『連絡』『相談』なのでしょうか?
「ほうれんそう(報・連・相)」とは、人に何かを伝える際に重要なことを、野菜の「ほうれんそう」に語呂合わせです。ですので、無理に “報告” , “連絡” , “相談” にこだわる必要はありません。また、「これは報告なのか連絡なのか相談なのか」などと、それぞれの言葉の定義を考えることも意味がありません。語呂合わせに意識を向けるのではなく、『人に何かを伝える際に重要なこと』に意識を向けてください。
「人に何かを伝える」際には、必ず [伝える側] と [伝えられる側] がいます。それぞれの思惑を考えてみましょう。情報を伝える・伝えられる目的です。それぞれを対比して示します。
伝える側の目的
①事実を伝える(上司に知っておいてほしい)
②見通しや予定を伝える
③自分の意見を提案する
④判断を仰ぐ
⑤支援やアドバイスを求める
何か問題が発生した時、①事実を伝え、②見通しを伝え、③それに対する解決案を提示し、④どの案にするかの判断を仰ぎ、⑤その際に注意すべきことについてアドバイスを求める というのが、問題報告の定石です。
伝えられる側の目的
①事実を知る
②見通しや予定を知る
③現場の認識や判断に漏れや間違いが無いか確認する
④現場で解決出来るか判断する(支援が必要か確認する)
⑤部下の成長を確認する
「人に何かを伝える」時には、伝える側と伝えられる側が、お互いに何を求めているのか意識することを心がけましょう。
・部下は、上司が何を聞きたがっているか、なぜ聞きたいのかを考えましょう。
・上司は、部下が何を伝えたがっているか、なぜ伝えたいのかを考えましょう。
上記の目的において、①②③が “報告” で、④⑤が “相談” です。(私のイメージ)
以下、私が考える『報告』『連絡』『相談』のイメージと重要な点を紹介します。
【報告とは】状況(事実)と、自分の考えや行動予定を伝えること
重要:事実だけでなく、自分の考えや行動予定・見通しも伝える
事実とそれ以外を明確に区別して伝える
【連絡とは】状況のみを伝えること
重要:伝わったかどうか確認する
連絡を受けた時は、伝わったことを知らせる
【相談とは】相手に行動(判断、助言・支援)を求めること
重要:判断を求める際には複数の選択肢を用意する
支援を依頼した際は、あとで感謝を伝える
以上は、無理に「ほうれんそう」に寄せて書いたものですが、『人に何かを伝える』ときの心がけとしてまとめると、次のことが大切です。
①状況(事実)を正確に伝える
… 事実と推測・想像を明確に区別すること
②状況に対する自分の考えや行動予定を伝える
… 傍観者や部外者にならないこと
③判断を求める際には複数の選択肢を用意する
…「どうすれば良いでしょうか」ではなく「どちらが良いでしょうか」
④支援支援を依頼した際は、あとで結果と感謝の気持ちを伝える
…「おかげさまで~。ありがとうございました」 ※ 記事「感謝か謝罪か」参照
⑤本当に伝わったか確認する
… 言っただけ・メールしただけでは、伝わらないことがある
⑥連絡を受けた時は、伝わったことを知らせる
… 受信報告、受領報告。安心感を与えて信頼感を得る
これらは、私が日々心がけていることです。参考にしてください。あくまでも心がけです。相手や状況に応じて柔軟に硬軟を使い分けてください。
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最後に
◆◆ 《報・連・相》を「部下が守るべきマナー」や「部下を管理するためのツール」だと思っている上司の方へ ◆◆
元々、《報・連・相》は「下から上へ意見を言いやすくして、風通しの良い職場を作るための手段」として提唱されたものです。つまり、組織内の上下の壁を取り払うことを目的とした経営哲学の一つであり、上司に対する戒めです。
部下に対して「報連相を!」と言っておきながら、報告の確認を怠ったり相談を無視することがないようにしてください。
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