ISO9001は国際標準化機構(ISO)が定めた国際規格の一つですが、この “規格” に対するよくある誤解について解説します。これまで何人かの方とお話しをした中で、何度か「この人はISO9001ついて誤解している..」と感じたことがありました。誤解の多くは次の2つです。
誤解1.ISO9001には基準値ややり方が定められている
誤解2.ISO9001の構成と同じ体系で業務マニュアルを整備しなければならない
これらについて、今回と次回の2回に分けて説明します。
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【誤解1】ISO9001には、基準値などの達成水準や、管理のやり方が定められている。
ISO9001を全く知らない方に多くみられます。例えば、「設計・開発の規格だと聞くが、物作りでの許容誤差のことか?」「設計に関する基準値がどういうものなのか想像ができない」「やり方を規格で決められても、我が社には我が社のやり方があるのだから…」などです。
これらはすべて誤解です。おそらく、ネジなどの寸法規格や業務マニュアルをイメージしての誤解だと思いますが、ISO9001規格には具体的なやり方や基準値は定められていません。定められているのは “管理すべき項目” であり、実際のやり方は自分たちで決められる(決めなければならない)のです。
ISO9001の審査では、次の3つが出来ていることを確認します。
①管理すべき項目(ISO9001規格)を網羅している。
②各項目について、自分たちにとって適切なやり方を定めている。
③自分たちが定めたやり方を守っている。
決して高度なやり方を求めているわけではありません。やり方は自分たちで決められるので柔軟性や自由度は高いですが、その分、責任や会社の体質が問われます。
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