突然ですが、今回はアインシュタインの相対性理論についてお話したいと思います。
私は、昔から相対性理論に興味があり、情報番組や雑誌などでその話題を見かけるとついつい見てしまいます。私たちが知っているニュートン力学の世界とは全く異なる不思議な現象は知っていましたが、テレビの情報番組や入門書の説明にいつも大きな矛盾を感じていていました。最近AIと議論して、その矛盾の正体が分かったので紹介したいと思います。
私が抱いていた矛盾をAIにぶつけてみました。その結果分かったことを、私の言葉で表現します。
ただし、ご存じの通りAIは間違えることがあるので、これからお話することは間違っているかも知れません。あしからず。
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一般人向けの説明で私がおかしいと感じた説明は、次の2つです。
【説明1】 超高速で動くと、進行方向に縮む。
【説明2】 超高速で動くと、時間の進み方が遅くなる。
矛盾とは次です。
速度とは相対的なもの。相手が動いているように見えても、見方を変えればこちらが動いているとも言える。つまり “お互い様”。だから、一方だけが縮んだり時間が遅くなったりするのはおかしい。
この矛盾についてAIと議論した結果、説明する側の問題点が幾つか浮かび上がりました。
(実は、AIの初めの頃の回答もその問題を抱えており、それを正すのにかなり苦労しました。)
説明する側の問題点とは次の2つです。
【問題1】対象物と観測者の関係を明らかにしていない。
【問題2】特殊相対性理論と一般相対性理論がごちゃ混ぜになっている。
相対性理論を理解するには、次の3つを頭に入れておくことが必要です。
(深く学ぶのはかなり難しいですが、基本的なことは理解できます)
1.光の速度はどんな時でも一定(不変)
2.立場によって見え方が違う(当事者か観測者かで見え方が変わる)
3.特殊相対性理論と一般相対性理論は別物(等速運動と加速運動では理論が違う)
これらは、言い換えれば《前提条件、立場の違い、考え方の違い》です。これらを明らかにすることは、物理に限らず仕事や勉強などあらゆる場面において大切なことです。
この3つを元に、上記の不可解な説明について解説し、相対性理論について私なりに説明してみます。
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説明1の「超高速で動くと、進行方向に縮む」という説明は、言葉通りに捉えると本当に縮むかのように聞こえて「潰れちゃう!」と思うかも知れませんが、実際は物理的に本当に縮むのではなく、外から見ると「縮んだように見える」だけです。速度は相対的なものなので、動いている側と見ている側のどちらから見ても同じことが言えます。つまり、”お互い様” の現象であり、“見かけの現象” です。例えば、地球からロケットを見るとロケットが短くなっているように見え、逆にロケットから地球を見ると地球が押しつぶされているように見えます。その縮み具合いは動く速度によって変わり、光速に近くなるほど大きく縮んで見えます。これが、特殊相対性理論のローレンツ変換です。
下の図は、特殊相対性理論の思考実験の概念図です。思考実験の図はいろいろなものが公開されていますが、私なりにアレンジしてみました(私の理解です)。

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説明2の「超高速で動くと、時間の進み方が遅くなる」という説明は、次の3つの現象を含んでいます。
(1) 先ほどの “縮んだように見える” ことと同じで、時間の進み方が本当に遅くなるのではなく、外から見ると「遅くなったように見える」だけです。つまり、”見かけの現象” です。
[速度 = 距離 / 時間] なので、速度が一定なら、時間が短くなれば距離が縮んだように見えて(説明1の話)、距離が大きくなれば時間の進み方が遅くなったように見えるのです。特殊相対性理論です。
(2) 特殊相対性理論によると、運動している物体は (1) の見かけの現象とは別に、実際に時間の進み方が遅くなります。
「速度は相対的なものだからお互い様では? 一方だけ遅くなるのはおかしい」と思われるかも知れませんが、ここが相対性理論の難しいところです。説明は難しいのですが、次のようなイメージです。
◆◆2人が同じ場所から別々の道を通って同じ目的に行くことを想像してください。一方は山越えルート、もう一方は迂回ルートです。道中の2人の距離はどちらから見てもいつも同じ(お互い様)ですが、道中で見たものは2人まったく違っています。この「道中で見たものの違い」が、特殊相対性理論でいう “時間の進み方の違い” です。◆◆ イメージできますか?
実際に、早く動いているものは時間が遅れます。観測によって確認されています。新幹線や飛行機などの日常生活では感じることが出来ないほど小さいですが、移動速度が大きくなるほど顕著になります。
(3) 一般相対性理論によると、強い重力の元では時空が歪んで時間がゆっくり流れます。加速運動の際に感じる力(いわゆるG)も重力と同じなので時間の進み方に作用します。加速運動している物体は実際に時間の進み方が遅くなります。減速している時も時間の進み方は遅くなります。マイナスのGだからといって時間が早く進むことはありません。加速時と減速時のどちらも時間の進み方は遅くなります。
観測の現場では、これらの3つの現象が重なった結果が観測されます。
時間の進み方が実際に遅れる現象とは、例えば宇宙旅行に行って地球に戻ってきたら地球の時間が進んでいたという現象です。これをウラシマ効果と言います。1960年代に公開された映画「猿の惑星」で有名ですね。この現象は、上記の (2) と (3) の両方の結果です。具体的には、出発時の加速と到着時の減速による (3) と、その間の高速移動による (2) です。SFの世界の話ではなく実際に起こることです。
相対性理論は、私たちの日常生活にも大きく関わっています。その代表が、スマホの位置情報やカーナビで使われているGPSです。人工衛星は地球上よりも重力が小さいので時間は地球上より早く進みますが、高速で移動しているので時間は遅く進みます。それらを考慮してGPS衛星内の時間を補正しています。時間が正しくないと正しい位置を示すことができませんからね。どれだけ補正するかを相対性理論を使って求めているのです。
テレビの説明や入門書の説明は、これら(1)(2)(3)の現象を区別せずにごちゃ混ぜにしていることが多いと感じます。すべてではありません。そういうものが多いということです。具体的には、「見かけの現象と実際の現象(外から見える現象と当事者に降りかかる現象)」「特殊相対性理論と一般相対性理論」「等速運動と加速運動」がごちゃ混ぜなのです。
「超高速で動いている」と聞くと等速運動(慣性運動)をイメージする人が多いと思います。しかし、高速に至るまでには必ず加速運動が必要です。ですので、等速運動(特殊相対性理論)と加速運動(一般相対性理論)をごちゃ混ぜにするのでしょう。2つの理論を別々に説明するよりも一つの説明の方が分かりやすいので、詳しくない人にはその方がありがたいのだと思います。AIも、説明を分かりやすくするために、聞き方や質問者のレベルに応じて回答を変えます。つまり、忖度します。その忖度が度を越えると矛盾を生みます。
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以上、相対性理論についての私の理解を述べました。まとめると次の通りです。
①相対性理論が示す不思議な現象には、〈見かけの現象*〉と〈実際の現象*〉がある。
注* :見かけの現象とは、見る人の立場によって変わる現象のこと。
実際の現象とは、物体自身が経験する現象のこと。
縮むのは見かけの現象。時間の進み方が遅くなるのは見かけの現象と実際の現象の両方
②相対性理論には [特殊相対性理論] と [一般相対性理論] がある。
③見かけの現象は、特殊相対性理論で説明できる。
④実際の現象には、特殊相対性理論で説明できるものと、一般相対性理論で説明できるものがある。
⑤特殊相対性理論は主に等速運動(重力がない世界での運動)を扱い、一般相対性理論は加速運動(重力と同じ)を扱う。
実際にはそうとも言い切れないこともあるようですが、私の理解はここまでです。
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おまけ
ここまでの説明おいて、難しい数式は敢えて載せませんでした。気になる方は調べてみてください。いろいろな式がありますが、見かけの現象(ローレンツ変換)の式はピタゴラスの定理から簡単に求められます。2乗して加減してルートにする式です。
そういえば、速度は「距離/時間」、加速度は「距離/時間/時間」ですね。距離を時間で1回割ったものと2回割ったものです。もちろん、これらの “次元” がそのまま見かけの現象や実際の現象を決めているわけではありませんが、時間で割るという操作が物理の中で特別な意味を持っているのは確かなようです。この世界は4次元時空(1つの時間軸と3つの距離軸)なので、時間と距離の関係をどう扱うかによって見える世界がまったく変わります。物理って本当に面白い。
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